第4回看護のよろこびと医療の未来を考えるフォーラム開催

「涙のち晴れ やっぱり人がスキ・看護がスキ!」
講演:小林 光江さん(作家・看護師)

第4回看護のよろこびと医療の未来を考えるフォーラム開催01

第4回看護のよろこびと医療の未来を考えるフォーラム開催02

10月28日(日)茨城県開発公社ビルで第4回看護のよろこびと医療の未来を考えるフォーラム「涙のち晴れ やっぱり人がスキ・看護がスキ!」を、茨城県、水戸市、茨城県医師会、茨城県看護協会など、県内各医療団体をはじめ、多くの皆さまのお力添えをいただき開催しました。
 当日の参加者は、県内の22カ所の病院、診療所、介護施設の看護師を中心に、医療介護従事者、高校生、市民の皆様など122名となりました。

 東日本大震災から1年半が経過し、東北3県だけでなく茨城県でも震災・原発事故が医療崩壊に拍車をかけています。地域医療体制の維持や放射能被害から子どもたちを守る取り組みをはじめとして、いのちに関わる分野への住民の要求と期待が高まっています。
 このような中で、今年はマイナス思考をプラスに転じ、いきいきと輝き、いのちを守ろう”とのメッセージを発信することを目標に開催しました。
第4回看護のよろこびと医療の未来を考えるフォーラム開催03  はじめに3名の看護師から現場の状況や働く中での思いを発言しました。「鹿行地域の医師不足は深刻で、急性心筋梗塞などの循環器疾患の患者様を、なめがた地域総合病院で受け入れることができず、遠く土浦まで転送しなければならない。搬送中の急変も心配で、医療体制の力不足を痛感しやりきれない気持ちになる。」「数年前に産婦人科医が激減した県北地域は、医師数は少し持ち直してきているが依然厳しく、助産師数も不足している。高萩協同病院には県北地域ばかりでなく、いわき市をはじめ、福島県南部地域からも患者様が受診する。福島県の方も含めて、新たないのちの誕生を支えたいが、慢性的なマンパワー不足に陥っている。」「訪問看護の分野では、国の政策で病院の在院日数が短縮され、在宅医療の分野に医療要求の高い患者さんが増えてきている。最近はご家族と一緒に在宅で看取りをする例も多く、忙しい中でもやりがいを感じることができる。」などの思いが語られました。

第4回看護のよろこびと医療の未来を考えるフォーラム開催04 作家で看護師の小林光恵さんの講演は、おたんこナースにも描かれている看護学生時代の失敗談から、患者様とのコミュニケーションの素晴らしさ、看護師として輝くためには、セルフケアが大切であることが、笑いの中で話されました。またワークライフバランスの考え方のもとで、個々が看護のこだわりのテーマを見つけて取り組むことで、やりがいが生まれ、看護のよろこびにつながると強調されました。今、小林さんが取り組んでいるエンゼルケアもその一つで、死後の処置と呼んでいた時代の死化粧は、亡くなった方を送るにはふさわしくないのではないか、との疑問から研究会を立ち上げて進めてきたそうです。

 参加者からは、「新人時代を思い出した、今後は働き続けるためのアドバイスも含めて後輩の指導に当たりたい。」「おたんこナースの大ファン、お話が聞けてうれしかった。」「今年就職し、1年目なのですが、学生の頃の実習を思い出し、頑張ろうと思うことができました。今はまだ知識と技術も足りず、いっぱい、いっぱいですが、患者さんと真摯に向き合って行きたいと思います。」「今度はエンゼルメイクのお話を実演も交えてお聞きしたい。」などの感想が寄せられました。私たち一人ひとりが、いきいきと輝き、看護実践を深めていきたいと考えるきっかけとなりました。
 医療体制の困難さはありますが、地域のみなさまに支えていただき、より質の高い看護を提供できるよう力を尽くしていきたいと思います。

小林 光恵さん プロフィール
茨城県生まれ、東京警察病院看護専門学校卒業、東京警察病院、茨城県赤十字血液センターに勤務後 編集者を経て、執筆活動に
漫画『おたんこナース』の原作者、『ナースマン 新米看護士物語』は、2002年の日本テレビ系列のテレビドラマ『ナースマン』の原作にもなった。
2001年よりエンゼルメイク研究会代表 なめがた大使

著書: 『死化粧の時-エンゼルメイクを知っていますか?』(洋泉社)
『ナースのおしゃべりカルテ』(幻冬舎)   
『12人の不安な患者たち』(集英社文庫)
『ケアとしての死化粧―エンゼルメイク研究会からの提案』(日本看護協会出版会)
『説明できるエンゼルケア』(医学書院)
『愉快なナースのないしょ話』『進め天然ぼけナース』『小悩みさん』(幻冬舎文庫)

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